脊髄刺激療法(SCS)

医療法人 貝塚病院

貝塚病院では2010年9月より痛み治療の脊髄刺激療法(SCS)を導入しています。
脊髄刺激療法(SCS)は、非常に低侵襲で短い時間で終了する手術な為、患者さまへの負担も少ない治療となっています。
当院では、患者さまの痛みに真剣に向き合い、痛みに対する負担を軽減させるために痛み治療に取り組んでいます。
「痛みが治らない、どうしたら痛みが軽減されるのだろう?」とお悩みの方、一度痛み外来でお気軽にご相談下さい。

脊髄刺激療法(SCS)とは?

SCSとは、脊髄刺激療法のことで硬膜外腔にリード(刺激電極)を挿入し、電気回路と電池が内蔵された刺激装置から脊髄に微弱な電気を流すことにより、痛みを緩和させる治療法です。

手術は通常2回に分けて行われ、まず試験刺激(トライアル)でリード(刺激電極)のみを留置し3日~7日程度で効果を確かめてから、刺激装置の本植え込みをおこないます。本植え込み後は患者用プログラマを使い、患者様が自分の痛みに応じて刺激を調節し、痛みをコントロールします。50%~70%痛みを軽減することが目標で、鎮痛剤の使用量減少や睡眠時間の増加等QOLの向上が期待できます。

また、硬膜外腔にリードを置くため神経を傷つけず、手術前の状態に戻すことも可能です。

医療法人 貝塚病院

①リード(刺激電極)

医療法人 貝塚病院脊髄に電流を流すための電極が先端についている導線です。試験刺激(トライアル)では効果判定をするためリードのみが留置されます。

②刺激装置

医療法人 貝塚病院回路と電池を内蔵しており、電池が消耗すれば、刺激装置を交換します。使用頻度に左右されますが、目安は2年~5年程度です。(最近、充電式も使えるようになりました。)

患者用プログラマ

医療法人 貝塚病院患者自身が体外から刺激装置の上に当てて、刺激調節を操作します。

  • 薬では十分な効果が得られず、日常生活にも支障をきたす慢性的な痛みに対する治療法のひとつ
  • 海外では40年前から実施されている療法
  • 世界で35万人以上、日本では6,000人以上がSCSによる治療を受けています
  • 国内では健康保険の適用が認められています
  • 硬膜外ブロックと同等のリスク

脊髄刺激療法(SCS)が適応となる痛み

脊髄刺激療法(SCS)は、下記のような病気・症状による痛み神経の支配領域に限局した痛みに対し効果的な療法です。

脊椎・脊髄疾患による腰下肢痛

  • 腰部脊柱管狭窄症
  • 脊椎手術後に再燃・悪化した痛み
  • 腰椎多数回手術(MOB)
  • 癒着性くも膜炎

脊椎・脊髄疾患による頸部、肩、上肢の痛み

  • 頚部脊柱管狭窄症
  • 頚部手術後に再燃・悪化した痛み

末梢血管障害(PVD)による痛み

  • 閉塞性動脈硬化症(ASO)
  • バージャー病
  • レイノー病・レイノー症候群

複合性局所疼痛症候群(CRPS)きっかけとなる原因に不釣合いな激しい持続痛

  • 反射性交感神経性ジストロフィー(RSD)
  • カウザルギー

その他の神経障害性疼痛

  • 脳卒中後の肩手症候群
  • 帯状疱疹後神経痛
  • 開胸術後疼痛
  • 外傷・放射線治療による腕神経叢損傷
  • 糖尿病ニュローパチー
  • 不完全脊髄損傷
  • 断端痛・幻肢痛
  • 多発性硬化症

治療の流れ

1)目標設定
薬などで十分な効果が得られない痛みに対し、手術内容や手術のリスクなど詳しく説明し、同意を得た上で治療に移ります。まずは、痛みをどのくらい抑えられるか目標を決めます。
2)トライアル(試験刺激)
局所麻酔下でリードを硬膜外に挿入し、試験刺激を行います。痛みの部位に刺激感を感じるよう患者様と話しながらリードの位置を決定します。試験用刺激装置を使用し、試験刺激(約1週間)を行います。
3-1)効果ありの場合/本植え込み
全身麻酔下で腹部等の目立たない部位に刺激装置を植込みます。
3-2)効果なしの場合/抜去
神経を傷つけることなく元の状態に戻せます。
  • 機器の目覚ましい発達により、患者様の生活スタイルに合わせた複数のプログラミングが可能です。
  • 痛みを複数箇所カバーすることが可能です。
  • リードがずれても再調整で対応可能です。

適応が難しい患者様

  • 問題となる心理的要因がある
  • 深刻な薬物嗜癖がある
  • 治療に必要な機器操作ができない
  • 治療の限界やリスクなどの理解と同意が得られない

西日本新聞に載りました

脊髄刺激療法(SCS)を受けられた患者様の声

< 患者様の声 >
Y・Eさん 67歳 女性

平成13年11月18日夕方、突然倒れて病院に運ばれました。 脳出血左視床で右片麻痺が見られると診断され合計4ヶ月間リハビリに励みました。その後近くの循環器科医院で診て頂くことになり、1ヶ月毎に血圧の薬を頂きに行く都度、右半身の痛みを訴えておりました。何とか痛みが取れる薬はないか?本当に三重苦でした。「痛み」「しびれ」「感覚のなさ」全部とは言わない、どれか1つでも緩和されればと、行くたびに主治医の先生に懇願していました。
平成23年12月初旬、主治医の先生から『脊髄刺激療法=痛みをブロックする』こんなのがあるよ!と貝塚病院を紹介していただき、早速受けてみることにしました。今、思い出しても即決でした。平成24年1月10日~28日の入院で手術は無事終わり、平成26年3月からプールで週3日リハビリを行っています。以前は梅雨時、台風シーズンなど気圧が変わる時は右半身が痛くて痛くて寝込んでいましたが、今はそれが改善されていて自立した日常生活が送れています。あとは「しびれ」「感覚」を何とかと思いつつ、日々元気に過ごしております。