内視鏡外科

内視鏡手術とは?

内視鏡外科

腹部の開腹手術は、疾患によっても異なりますが、時には30cmを超える切開になることもあります。
内視鏡手術は、大きな切開を行うことなく、約0.3~1.5cmの小切開部から体内を観察しながら行う手術のことです。

胃や大腸などの臓器を取り出す際に、5~7cmの切開を入れることもありますが、開腹手術に比べると、創が小さいため様々な利点があります。

大きな利点としては、身体に負担が少ないということがあげられます。実際に、身体の負担が少ない低侵襲治療を追求することで内視鏡手術が発展してきました。

内視鏡手術の特徴

長所

  • 身体への負担が小さい
  • 創が小さい
  • 術後の痛みが少ない
  • 入院期間が短い
  • 社会復帰が早い

短所

  • 手術時間が長い
  • 技術的難易度が高い
  • 過去に手術を行ったことのある場合は、困難なことがある
  • 高度肥満の場合は、困難なことがある

当院外科は、可能な限り身体の負担の少ない内視鏡手術を行うようにしています。ただ、手術は安全に行うことが最も重要であり、無理に行う内視鏡手術は、身体の負担が少ないどころか、大きな合併症につながることもあり、とても危険であると考えています。

ある患者さんにとっては、内視鏡手術よりも開腹手術の方が低侵襲で、メリットが高くなることもあります。すべてを内視鏡手術で行うことが良いこととは考えていません。

当院では、およそ70%を内視鏡手術、30%を開腹手術で行っています。

手術を行ったことのある患者さんや、高度肥満の患者さんにとっての内視鏡手術は、一般的に難易度が上がり、危険を伴うこともあるといわれています。しかし、手術既往のある患者さんや肥満のある患者さんだからこそ、内視鏡手術が力を発揮することもあります。手術方法などについては、開腹手術と内視鏡手術の両方の経験豊富な外科医に意見を求めることも大事なことではないかと思います。

得意分野

胃癌

腹腔鏡下(補助下)幽門側胃切除術、腹腔鏡下(補助下)胃全摘術

当院では、癌の根治性を考慮し、早期癌の患者さんに対して、内視鏡手術を行っています。手術時には、癌の根治はもちろんのこと、術後の食事が食べられないなどの後遺症を減らし、順調に回復するような工夫を施しています。
手術後は、医師、看護師、理学療法士(リハビリ)、栄養士などが協力し、早期に社会復帰ができるようなサポートを行っています。

大腸癌(結腸・直腸癌)

腹腔鏡下(補助下)結腸切除術、腹腔鏡下(補助下)直腸切除術

基本的に、大腸癌に対する手術は、内視鏡手術で行っています。
直腸癌に関しては、可能な限り、人工肛門を避け、肛門温存する手術にも積極的に取り組んでいます。
癌の根治に細心の注意を払い、術後の縫合不全などの合併症予防、術後の肛門機能温存を目指した手術を行っています。
手術後は、医師、看護師、理学療法士(リハビリ)などが協力し、早期に社会復帰ができるようなサポートを行っています。

胆石症(胆嚢結石症、胆管結石症)

腹腔鏡下胆嚢摘出術、腹腔鏡下胆管切開砕石術

胆嚢結石に対する手術は、基本的に内視鏡手術で行っています。胆嚢炎を起こして、2日程度であれば、緊急で胆嚢摘出術を行うこともあります。以前に胃の手術を受けたことのある方や、胆嚢炎のひどい方は、手術中の状態によっては、開腹手術に移行することもあります。

胆管結石は、内視鏡(胃カメラ)を用いた治療を行うことがほとんどですが、内視鏡(胃カメラ)で摘出できなかった場合には、手術を行うことがあります。その際には、腹腔鏡下胆嚢摘出術と同時に、腹腔鏡下胆管切開砕石術を行うことがあります。

急性虫垂炎

腹腔鏡下虫垂切除術

虫垂炎に対する手術は、開腹手術よりも、内視鏡手術のメリットが大きいため、基本的に内視鏡手術で行っています。

鼠径ヘルニア・大腿ヘルニア

腹腔鏡下ヘルニア修復術

ヘルニアの手術は、内視鏡手術で行っています。創を小さくし、さらに手術はメッシュと呼ばれる人工物を使用した疼痛の少ない手術を行っています。

診療体制

外科学会専門医、消化器外科学会専門医を中心に手術を行っています。
胃癌や大腸癌などの悪性疾患に対する手術だけでなく、胆石、ヘルニアなどの良性疾患、急性虫垂炎などの、緊急手術にも対応できる体制を整えています。